10月号|扉

 

今まで見たことのない別の景色


《 僕は、中学のころ、なんでも消極的で、引っ込み思案で、もっと積極的に前向きにできたらいいのに!こころの中では思っても出来ない自分。そんな自分から何かを変えたくて、何かが変わるかもしれないと感じて、この高校を選びました。全校生徒40数名、少人数教育、先生との関り、生徒達とのつながり…今までの小中とはまったく感じが違う。学校という場所が、環境が、雰囲気が180度変わり、違和感でしかなかったそこが、とても居心地の良いところになったのです。たくさんの変わるキッカケを僕に与えてくれたのは、先生方はもちろんだけど、それ以上に僕とおんなじ悩みや想いを抱えた仲間となったみんな。変わるにはたくさんの勇気が必要です。これまでは、そんなの無理、僕には出来っこないと、しり込みしていたいろんなことを、やってみよう、出来るかもしれない、やらなければ何も変わらない。でも…。くじけそうになった自分を支えてくれたのは仲間。勇気をくれた友だち。そして、一歩踏み出したとき、見えたんです。今まで見たことのない別の景色が。あ~もっといろんな景色を見たい!そう感じました。それからの僕は、もうこれまでの僕ではなくなりました。今日だってそうです、40~50人の中学生たちや親御さんの前で自分の考えを自分の言葉で伝えるということは、とても緊張するし、勇気もいるし、在校生の代表として話すんだから責任もあるし。でも僕は昔の僕ではありません。また新しい景色を見ることにワクワクドキドキしているんです。 》
これはFMISの取材で地元高校の生徒から聞いた話です。『今まで見たことのない別の景色』彼の話を聞いて思い出しました。私は45歳から55歳までの10年間、地元の市民劇団で芝居をやっていました。観客を前にしていくつもの芝居を演じ、舞台に立ちましたが、僕も見たんです。『今まで見たことのない別の景色』を。あの快感。何かこれまで開くことの出来なかった『扉』が開いた瞬間の感動。経験したものでなければわからないことです。そこで見た景色、五感で感じた空気感は、単に役者としての成長だけでなく、人として経営者としていろんな立場で生きるすべての自分にとって、今でも掛け替えのない財産となって僕の中に生き続けているのです。もちろん何でもうまくいくわけではありません。失敗も悩むこともたくさんある。あって当然。それでも何事にも積極的に取り組みたい、その想いをカタチにした彼は、インタビューの結びに、将来の夢について語ってくれました。「僕、公務員になるために、めっちゃ勉強してるんです。人の役に立ってみんなが安心して夢を描いて暮らせる世の中にしたいから…。」彼には、がんばれ!とエールを贈りました。一方で未来を担う子供たちへ明日が今日よりいい日であるように道をきりひらくのは大人の責任。その決意を新たに、私は私の出来ることをやっていこう。目の前にある新たな扉を開くために。

 

 

生まれたての大人


アニメ『モモウメ』の名台詞「マウンティング・マウンテン」、伊藤沙莉江口のりことの軽快な掛け合いといった方がわかりがいいだろうか。まあとにかく、世の中そこらじゅうでマウントの取り合い。金持ってるとか、偉いとか、すごいとか…なんとも世知がない世の中だ。人と比べて、値踏みして、マウントとって取られて何がおもろいのか?!そんなんだから、子供たちに大人はバカにされ、あきれられんだよ。あのチャンも、ユーチューブで、日々の仕事で出会う大人たちを『生まれたての大人』だって揶揄してた。なんで?て聞かれて、だって大人のくせして変なこと言う人、する人いっぱいで、何、このひとたち生まれたて?って思うから。う~あのちゃんのセンスすご!けど、ぐさっと刺さるわ~。でも言われて当然なこと確かに大人たちはしてるわな。世界じゅうで争いは絶えず、SDGs、カーボンニュートラルそっちのけ!まさに「マウンティング・マウンテン」。恥ずかしくないのかね、『生まれたての大人』とか言われちゃってさ!

 

コトウダグループ(古藤田グループ)