4月号|ツナガル

 

ジェンダーバイアスに幼少期の遊びが影響している?!


3月9日、伊豆市修禅寺で開催された静岡大学主催の『伊豆半島探求サミット』を参観した。午後からの各高校生の発表。その中で小山高校がジェンダーバイアスについて話をしていた。くしくもその日は『国際女性デー』。前日の静岡新聞の一面に、経済での男女平等指数が静岡県は47都道府県中42位という見出しに違和感を持ったばかり。就業率、フルタイムか否か、役員、管理職の数…果たしてそれらの数字が低ければ不平等なのか。不平等と聞くとそれすなわち不幸せととらえてしまうのはちょっと安易だとは思う。この調査は指数による多い少ないであってだから幸福ということではないと解釈する。まあ、この話はこのぐらいにしといて、話を高校生の発表に戻す。彼らは、ジェンダーバイアスを文系・理系の選択比率の偏りに視点を置き、どうやらその原因の一つに幼少期の遊びがあり、それは親自身のバイアスから、子供がその影響を受けている。と位置づけた。男の子は鬼ごっこ、女の子はおままごと、男なんだから、女なんだから…らしくしなさい。少なからず皆さんにもあったと思う。日本男児(ニッポンダンジ)として恥じぬよう…とか男には強さを、そして大和撫子(ヤマトナデシコ)としてしとやかに…とか女には美しさをという文化が日本にはあった。いや、今でもある。自分の子供のころを思い出すと、育った地域が新興商業エリアで商売人の子供が多く、男女が一緒に川遊びをしたり、家でままごと遊びをしたりと男女で遊ぶことが結構あった。さらに姉が一つ上の年子ということで、台所に立つことや、家の手伝いをしたりすることはごく当たり前だったので、僕自身のことを言えば子供時代、さほどジェンダーバイアスの影響を受けていない。そう、要するに『環境』ってとても重要で、例えば世界でジェンダーギャップがほぼないと言われている、アイスランド、フィンランド、ノルウェーなどでは、子供のころから家事について男女の違いなく、親がしつけていく。料理も掃除も子守も、庭仕事もDIYも男女関係なく家族みんなが家事を手伝う。別に特別なことではなくそれが家族の幸せだから。当然、大人になって、社会に出ても、その習慣は変わらず、受け継がれ次の世代へとツナガル。そういう生活文化が脈々と息づいているからこそのジェンダーギャップ・ゼロであることを見逃してはならないのだ。ギャップを無くすことが目的ではなく、みんなが、家族が、社会が幸せになるための、人として必要最低限の『普通』なこと、そこから始まらなければ、何も進まない。にもかかわらずいろんなところで、中身のない見せかけの数字合わせが行われ、結果誰も幸せになれないし、企業も未来に向けて成長ができていない。ことを置き去りにしていく。私は常に自問自答することにしている。『これをやることってウェルビーイングにつながるの?』その思考を見失わなければ、きっと未来は希望に満ち溢れた、笑顔あふれる社会へと向かうはず。その未来への道のしるべを立てるのは大人の責任だということを自覚しよう。

 

 

伊豆半島世界ジオパークが5周年


先日、ジオ5周年の式典で静大の小山先生の講演を聴いた。ユネスコが目指す世界ジオパークへの期待。伊豆半島の課題について長年ジオに取り組んできた先生だからこそ話せる真実がそこにはあった。『草の根の民主主義』世界中のあらゆるバリアを超えてツナグ輪。それができるのは、ジオパークで暮らす人々の参画なしでは実現しない。大地を知ることで、その知識は防災に活かされ、災害時の人を救うことに活かされ、平時には、地域の経済を支える大切な資源として活かされる。僕たちは、このジオで生まれ育った。ジオの恵みがあるからこそ産業が生まれ、家業が代々ツナガル。しかしながらあえてジオに感謝!とはならない。ジオの恵みを生かした広報・PRをすればもっとインパクトのある発信が可能となることに気づいていない。もっと知ろう。きっと多くのプレゼントが『大地』から贈られてくるはずだ。

 

コトウダグループ(古藤田グループ)