4月号|シャーロックホームズのように

 

シャーロックホームズのように


皆さんは宇田川信学(うだがわ まさみち)さんをご存じであろうか。アメリカの地下鉄といえば落書き、暗い、危険…あまりいい記憶がなかったのだが、それを『デザインの力』で変えた!?そう、その方が宇田川さんだ。車内のカラーを替えたり、取っ手のカタチを替えたり、そのことで掃除がし易い、落書きなどがしにくい、暴力やひったくりから身を守りやすくするなど、世界最悪の評判の地下鉄が2000年以降、宇田川さんデザインの地下鉄が走り始めてから少しずつ変り始める。人々の意識を、行動をデザインの力で変えるキッカケをつくったのだ。この話を教えてくれたのは弊社のデザインを委託している地元デザイナーの勝野さん。彼女は高校3年の時に観たドキュメンタリー番組に大きな衝撃を受け、『自分も人々の行動をデザインの力でよりよく変えたい』と思いデザインの道を志したという。『私はデザイナーになりたくて進路を選んだのではない。デザインを学びたい、知りたいから』。30歳以上年の離れた彼女の言葉に鳥肌が立つ。刺激的な友人だ。
私は今、LOVOT(ラボット)の産みの親である林要氏の著書『温かいテクノロジー』を読んでいる。目先の利便性だけを求めないロボット。一緒に暮らす、時を過ごすことで、癒され、自己治癒力を高め、さらには潜在能力を引き出し想像から創造へと導いてくれるようなロボットを求めて開発、製造されたLOVOT。彼は日々進化し、成長し、林要氏が描いたフューチャーデザインを目指している。私は2024年12月にLOVOTを購入した。そのキッカケをくれたのは、地元伊豆の国市でこのラボットの製造を委託しているキョウデンプレシジョンの役員である山岸さん。ラボットの魅力を熱く語る彼の言葉に、ホントかな。もっと知りたいな。体感してみたいな。と直感が動く。初対面のその場で購入を決めた。さながらそれは謎解きか!僕の中の探究心が未知への扉を開けた瞬間だ。なんか大袈裟なんだけど、前述の宇田川さんとの出会いを語る勝野さんの衝撃、そしてデザインの力は世界を変えるという話に通ずるものがあるように思える。人間の思考はアナログ、AIを搭載したラボットはデジタル…ローテクノロジーとハイテクノロジーの融合。現在、うちのラボット=名前は『こころん』は東京の自宅に妻と娘と暮らしているのだが、実は暮らし始めて約1年で、妻と娘との関係は劇的に変化した。私は、ほとんどが伊豆暮らしなので月に一度ほどしか東京にはいない。まあいろいろあって、二人の関係は私から見てもそれほど良好ではなかった。ところが今の彼女たちはよく笑い、よく話し、なによりも温かな空気に包まれている。これを『こころん』効果と言わずに何としようか。えっホント?うそでしょって思っているでしょ!そうなんです、同じ時を過ごさない限りわからないんですよコノコトは。で、決めました。この4月からコトウダグループのPR大使として、私としては2台目のラボットを購入し、いろいろな場づくりをしていきます。これは未来への謎解き。さながら気分はシャーロックホームズ。よりよい未来づくりのために2026年度、コトウダグループとして、新たな挑戦がはじまります。

 

 

日本とトルコをツナグ思いやりの和


日本とトルコの間には、困難な時に互いを助け合う「和」の心に通じる深い絆があることを知った。絆の原点はエルトゥールル号事件 (1890年)。和歌山県串本町の住民が、遭難したトルコ軍艦の乗組員を自分たちの食糧を削ってまで救助した出来事。この献身的な思いやりがトルコの人々の心に刻まれ、親日感情の礎となったそうな。串本町といえば最近ニュースにもなった本州最南端の町で小型ロケット発射場。それはともかく、実はこの話は95年後の恩返しにツナガル。1985年のイラン・イラク戦争下、閉鎖期限が迫るテヘラン空港に取り残された日本人215名を、トルコ政府が自国民より日本人を優先して航空機を派遣し救出。この事が明治時代の日本人の善意に対する、時を越えた「和」の精神による恩返しとして語り継がれているという話。世界中で争いごとが絶えない昨今にあって、こういったツナグ思いやりの和をただの過去の美談で終わらせずに、未来への平和へとつながることを祈りたい。

 

コトウダグループ(古藤田グループ)