12月号

 

三重大学副学長 西村氏の講演録を読んで


『地域イノベーションのおもしろさ』

伊豆を元気に!のテーマで、とにかくやれることをしようと行動してきた約4年間。以前は少子高齢化、人口減少、移住定住といった日本全国どの地方でも問題になっていることに「どうにかならないものか」と考え行動してきましたが、どれもこれも特効薬などはなく、といって何もしないで諦めてしまっては今の子供たちに顔向けができない。3年半前から始動したドットツリープロジェクトや自分の属する諸団体を通しての産官学連携事業は自分にとってこれまでにない『発想の解放』、いろんな人を巻き込みつながることの大切さを学びました。実際にやってみてわかることですが『協働する』ことの大変さとその後、生み出される様々な『原動力』は本気でその活動にかかわって汗をかいた(実体験)人でないと、なかなかに理解できないんです。そもそもそう簡単に地域の課題解決に向けた成果など目に見えて現れるものでもなく、かといってイベント的に打ち上げて盛況でよかったねで終わらせるのでは意味がない。でも他人(口ばかりで行動しない人たち)は成果を求める。私が実感しているのは、人でも企業でも地域社会でも、しっかりとした連携、つながりをもって物事に対処していかなければ未来はない。かといってお手手つないでみんなで一緒という事でもない。同じ志、理念、理想をともにする同志が協働して事に当たるカタチが必要だということです。
講師の西村氏は「鳥羽マルシェ」をつくられました。鳥羽で採れたものを新鮮なうちに地元の人たちで食べる仕組みを考えませんか?食べる拠点をつくりましょう。そして地域の旅館や居酒屋ほか観光客が集まる場に鳥羽の魚を流通する仕組みをつくったらどうでしょうと提案しました。「新しいモノを作ってお金を掛けて投資するという時代ではありません。意識を変え、今まで一生懸命積み上げ、作り上げてきた日本のインフラを使い倒せばいい」。地域の中小企業経営者、農林水産の従事者、かれらはすごいポテンシャルを持っています。つながって、一緒になって方法・仕組みを考えていけば、地域全体が元気なるようなイノベーションがきっと起こるはずなんです。また、ある製油会社が地域の森を再生すために工場の熱源を石油から間伐材に変えバイオマスから蒸気をつくりだした結果、石油よりコストを抑えることが出きた。ただ、毎日お湯を捨てるのがもったいない。あるトマト栽培者は熱量をあげて生産性を高めようとしていたが石油が高くてコスト的に合わない。ここでインスピレーション!毎日90度のお湯を捨てている工業事業者とトマトの生産コストに悩む農業従事者。まったく接点のない異業種のふたりが西村さんの場づくりで出会い、つながり、結合して、あらたに共同研究会社も設立!
私が今願うこと、目指すところはまさに、『つながることで、互いの持つ経営資源(人・もの・金・情報)がバリューアップし、事業の持続可能性を高める。と、こういうことなんです。必故意ようですが繰り返します。これからの地方の中小企業は連携提携で経営資源のバリューアップを図らないと存続は難しいと。ビジネスの世界ですから簡単に儲かる方法などはありませんが、人と人がつながり、組み合わせを変え、新しい結合によるイノベーションがすすめば地方の創生は成る。将来に向けて多種多様な可能性を持ち合わせたドットツリーを拠点に、ぜひせひココ伊豆を『商いの力で元気に!』を合言葉に、伊豆の力を結集して、未来を切り拓いていきましょう!
最後に西村氏の言葉をご紹介します。『「井の中の蛙。」まさに私もそうでした。下の句は「されど空の深さを知る」。つまり、その地域に居てじっくり物事を考えていくと、空の本当の青さが分かってきて、場合によっては、その後にある星まで見えるのです。神髄を知る、というのは、地域にじっくりいた人間こそできることなのではないでしょうか。地域に生きるということは、地方の強みかもしれませんよ。』

 

 

キッカケなんてなんでもいい


NHKの朝のニュースを見ていたら、富山の高校生が環境問題に取り組んだことが紹介されていた。高校の授業で、プラゴミによる海洋汚染の実情を勉強して、私たちで何かやれることはないかと立ち上がった生徒達の話し。
彼女らが取り組んだのが、『レジ袋の代わりにエコバック』。それも高校生にも、うけるかわいくて、手軽に自分で作れて、しかもタダ=0円という…ただものでないエコバックなのだ。ブレストを重ねて導き出した答えは、『着古したTシャツを簡単な細工・加工でエコバックにして再利用。これなら古着のゴミも減らし、なおかつレジ袋も無くすことができるという一挙両得』。私は学校の授業も時には役に立つな~とか、よしやろうと!声を出したこのリーダーかっこいいなぁ~とか思いながらテレビを見ていた。
キッカケなんてなんでもいい。もちろん誰しもが学校の授業を受けて行動するとは限らない。でも例えば100人のうちの1人が立ちあがれば、やがて99人が行動を共にする力となるのだ。この集団の心理が地域を救うキッカケになるかもしれません。

 

コトウダグループ(古藤田グループ)