8月、9月合併号|学びの場と体験

 

元北海道教育委員会委員 鶴羽佳子氏の講演録を読んで


– 子どもの自立と地域課題を解決できる対話力とは –

社会で通用するための第一歩は『あいさつ』。社会人なりたての新人に周りの人が求めるのは『きちんと元気に挨拶ができること』。そういう子には顧客でも取引会社でも「若くて元気がいいねえ」と好印象を持つ。この話が相手先から上司に伝わって「○○さんから聞いたよ。がんばっているね」とほめてもらえればうれしくもなる。そんな、たわいのない『元気なあいさつからつながる』コミュニケーションが実は自立の第一歩を後押しする大切なことなのです。社会への入口、組織への仲間入りが上手にできた子は、少々仕事で失敗しても相談相手がいる。悩みごとがあったら話を聞いてもらえる。このスタートアップ(本来なら起業したての会社がある程度存在価値を認められた状態をいうが)に失敗してしまうと、聞けない、言い出せない、どうしたらいいかわからない…やがて出社もできなくなり退職に至るといったことにもなる。一昔前は異なった世代の近所の子供たちが外で『一緒に遊ぶことで自然に身についた』集団行動やルール、リーダーシップや上下関係、年下の子への思いやりなどなど、現代社会では日常的に、つくれなくなってしまったこういう『場』をあえて、地域と学校が連携してつくらなければならなくなったことは当然の成り行きなわけです。現在教育現場ではアクティブ・ラーニング=生徒が一方通行的に授業を受けるだけではなく、能動的に学ぶことができる学習方法や共同学習などを取り入れて、授業の中で対話をさせながら学ぶことを進めているようです。例えば、伊豆市の伊豆総合高校では、PBL学習やSDGs学習さらに実習、体験学習などを積極的に取り入れ、地域の課題解決に向けグループで取り組んだり、地域の食材を活用したメニュー作りなど色々な切り口でアクティブ・ラーニングの実践をしていることを最近知りました。こういった学びの場を通して、生徒達は『挑戦すること』や『失敗すること』、みんなで力を合わせて成し遂げる『達成感』を、身をもって体験します。一番大きく変わろうとしているところは、生徒達が『自分で考えられる力を身につけようとする』、わからないことは、積極的に地域に飛び出して、地域の大人たちと接して、話したり、聞いたり、対話の中から学び取る。経産省が提唱している社会人基礎『前に踏み出す力』『考え抜く力』『チームで働く力』を若い世代の子供たちが身につけるには、こういった活動を教育現場の中に根付かせていくしかないと考えるわけです。そのためには、地元の高校と地域の連携・協働を推進する「コンソーシアム(組織)」づくりが大変重要な役割を果たすことになります。高校と地域とのつながりが強くなればなるほど、PBL学習やSDGs学習さらに実習、体験学習などがさらに充実したものとなり、学び体験が『子供たちのやる気スイッチをON』する絶好の機会となっていくことが、まさに地域の未来づくりに、日本の国づくりに、さらには世界の持続可能性を高める活動につながっていくのではないでしょうか。わたしはそう信じています。

 

 

「〇〇なんか…」っていう時は気をつけよう


「〇〇なんか…」という時には、たいてい耳障りな話となる。例えば「歯医者なんか行かない」この場合は、歯医者自体に行きたくないのか、あの歯医者に行きたくないのか、いずれにしても、行動をとらない意思を表す言葉となる。「〇〇なんか(知らない)とか(やらない)」になってくると、関わりたくない、責任を取りたくないってことになるし、また「〇〇なんか(ムリ)とか(ムダ)」となると、頭からの否定・拒否ということになる。まあ、行き着くところ「お前なんか嫌いだ」って言ってるのと同じことになる。人は、知らず知らずに『レッテルを貼る』。そのことで自らの視野を狭め、行動の範囲を抑制し、やらない言い訳にする。進んで敵をつくることもないが、かといって自分の信念・信条を曲げての行動は精神衛生上よくない。すべからく、日頃の言動には注意をしよう。不用意な言動は信頼関係を損なうことになる。

 

コトウダグループ(古藤田グループ)