1月、2月合併号|知ってるフリ?ツモリ?

 

その地に生まれ育った人の気質で未来は変わる。


何年かぶりの九州。今回は熊本そして福岡博多で美味しい地のモノを飲んで食べて、ひとと交わっての2泊三日の旅。気の置けない社長仲間たちとどんな刺激があるか楽しみだ。まずは熊本の地に降り立つ。囲炉裏で田楽。焼き物はイワナ、旬の地野菜、地鶏に地元伝統のみそだれで堪能。お店のスタッフと『地元の食材、ジビエの話』で盛り上がった。まあとにかく、明るく、気持ちよくもてなしてくれるのでとても『居心地がいい』。そして夜の熊本。どこもかしこも賑わいがスゴイ。東京で云えば、新宿歌舞伎町と渋谷を一緒にしたような感じ。久しぶりに見る人出。ただ、騒がしく混雑しているだけでもない。何が違うんだろうかと観察する。『人』だ!昼の田楽屋さんもそうだったけど、そこにいる人達がとにかく良くしゃべるし、笑顔だし、笑う。せっかくだから地元の人行きつけのスナックを紹介してもらって行く。見るからに地元のお客さんで大盛り上がり。そして舞台は博多へ。昼食の新三浦さんの鳥の水炊きに舌鼓。ここでもおかみさんや仲居さんのおもてなしに『ちょっと飲みすぎ騒ぎすぎ…』でした。さて夜です。ここでも博多に行ったらココと紹介されたスナックへ。そこのママさんがただモノじゃなかった。このお店の雰囲気やお客さんたちのノリの良さって伊豆にはない異世界の文化を感じるというか、まるでコロナを感じないというか…そんな話をすると、ママは「ないわけないじゃない!」と笑いながら話す。「12月だって宴会の予約がもう結構入ってるけど、どうなることやらよ。でもまあ、常連さんはそれでも顔出してくれるし、だったら迎える私たちも明るくおもてなししなきゃでしょ!」って、これからショータイムだからとママさんがバックステージに消える。数分の後、くまモンの被り物したママさんが登場。一瞬にその場を雰囲気を変える。ちょっとエッチな替え歌をむちゃくちゃ高い歌唱力で歌いまくる。待ってましたとばかり、常連客がやんやの手拍子、足拍子(笑)。カウンター越しに見るママさんとは異次元のオーラ―。お~これは役者だーーと感動。気がついたら小ステージに自分が呼ばれ一緒にパーフォーマンス。むっちゃ楽しかった。いつものママさんに戻ってからまた話をすると、「腕組んで難しい顔して観てるお客さんもたまにはいるけど、まあこれが私たちのおもてなしだからね。それよりお客さんのノリ良かったよ(笑)」って握手を求められました。とにかく今回の旅は、どこに行っても、僕らを気持ち良くさせてくれる。これは何だ?伊豆に無いこの土地のチカラか?人のパワーか?これが『気質』の違いというものか。真似ようとして真似られないもの。なにが違う?この地の文化、お土地柄、DNA…兎にも角にも持って生まれたこの気質が地域の元気につながっていることは間違いない。この旅で刻まれたある種の違和感を今後の活動に活かしていきたいものだが、学びの場とか、地域連携とか、つなぐ=&とか、言ってる自分には、とても大事な何か大きな忘れ物があるように感じる。それは、そもそもの人の気質を呼び覚まさすような、土地のチカラ、地域の文化への理解や関わり。この地で生まれ育ってはいるけれど、人やモノや土地とのつながりの掘り起こしがまだまだ足りない、探求が不足している。とてもとても九州には敵わない。比較することでもないけれど。旅で体験した、そこにいる人たちと交わったときの心地よさ、居心地の良さをこの伊豆でも味わえたらいいよね。この地だからこそ生まれるパワーを注入して、爆発させ化学反応を起こして、訪れる人の5感に刺さる『感動とおもてなし』をカタチにするために、あらためて伊豆を観察して、知ったつもりだった自分を変えることから始めてみようと思う。

 

 

知ろうとするなら近づかなきゃ!


家にいて夜中変な物音がしたら、音の方に近づいて調べるよね。本を読んでてわからない言葉や漢字があったら辞書を引くなり、検索するなりして解ろうとするよね。初対面の人に出会って、もっとこの人のこと知りたいと思ったら、また会いたい、いろんなこと話したいって相手に近づこうとするよね。要は、人でもモノでも知るためには近づかなければ、探ることも気づくこともできないってこと。でもね近づこうとしない人がいるんだよね。見て見ぬふりをして違和感がそこにあるのに、ほっとくってのは一番悪い。見えない、気がつかないは意識の低さなのでこれはまた別の問題。チラ見してわかったつもりになって、でも実はよくわかってない。昨今の中学生・高校生は『探求』の授業というのがあって、地域の課題をテーマに現場に出向いて関係者インタビューしたり、新聞を読んだり、わからないことを有識者に聞いたりと、まず今何が起きているかを知ることで解決策を探すといったことを実践的に学んでいる。裏を返せば目に見えてる表層の部分だけを捉えて薄ペラな解釈で物事を判断するひとが多いってこと。大事なのは興味を持つ、関心を持つ。持ったことを掘り下げる。ために近づく。とにかく『知ってるフリ、知ってるツモリ』の人生は危ういですよ。

 

コトウダグループ(古藤田グループ)