4月号|自然の中で生きている

 

人間は自然の中で生きている、ということ。


伊豆の国市の料理研究家の桜井さんと飲食事業を展開しているキッチンエビセンの菅沼代表がコラボして、市内のトマト生産者から商品にはならずに廃棄している青トマトを活用したクラフトコーラ―の開発・商品化に向けての取り組みについて、試飲用のコーラーを飲みながら、菅沼さんから話を聞くことができた。『もったいない』がキッカケで始まって、成分を調べてみると未熟トマトには抗がん、抗うつ、抑コレステロールの作用がある成分が含まれていることがわかり、これはみんなの元気の源に!ってことで今後はさまざまな料理や嗜好品に活用できる青トマトシロップの商品化に向けて準備を進めていく。まさとにSDGs、カーボンニュートラル、これからの未来づくりに不可欠な循環社会への実践がこの活動にはある。他にもチャレンジャーはいる。天城湯ヶ島の放置されている天然の柚を地元でとりまとめ、函南のオラッチェと柚バタ―として商品化した浅田ファーム。また、環境再生の取り組みをしている杜人(もりびと)の活動をされている庭師の高橋さん。先日ワークショップにちょっとだけ体験参加。裏庭の雑木林の伐採から、水脈づくり。伐採、清掃して集められた笹や竹、落ち葉などを活用しての作業はまさに、そこにあるモノを『自然の循環』に戻すことで、自然が自然に環境を再生していくために人ができる『手入れ』とは何かを実感できました。さらに自然農法に長年取り組んでいる天城湯ヶ島・長野地区の浅田さんには、雑草、落ち葉、竹を破砕したものなどをたい肥として畑の土に戻してあげることで、土の中にいる微生物が勝手に、自然に、土を元気にし、植えた野菜を美味しくしてくれることを教えてもらった。その畑には、ブロッコリーが栽培されていて収穫の時期を待っていた。見た目、小ぶりではあるけれど絶品だそうだ。近くご相伴にあずかりたい。自然を見て、触れて、聴いて、嗅いで、味わう。5感への刺激が人間をも再生してくれるのだ。伊豆市は市域の総面積の約80%が森林。山や土地が荒れれば、狩野川が荒れ、駿河湾の海が荒れる。見渡せば、山に囲まれ、裏庭には竹林、雑木林があり、ここかしこに川、小川、農水用水路があり、田んぼや畑が点在している。すべてはつながり、循環している。この環境をいい状態に保全するには各地域地区、そこで暮らす人たちが、草を刈り、枝葉を拾うなど土地を『手入れ』していかなくてはならない。環境は勝手に保たれているわけでも、役所や他の誰かがやってくれるものでもないのだ。水路に汚れた生活用水を垂れ流し、ゴミや庭の枝葉を捨てる人は、そこをただのドブと思っていて畑や田んぼにとって欠かせない水路であることを知らない。だからこそ地域にはコミュニティが必要で、代々受け継がれていく自治の力がいるのだ。荒れた環境を再生していくのはたやすい事ではない。荒れないように環境を守るには人の力がいる。この美しい伊豆市を未来につなげていくには、老いも若きも子供達も、いっしょになって、共生、協働していくことが大事だと思う。

 

 

ドットツリープロジェクトに込めたマインド。


ドットツリープロジェクトを立ち上げて、この3月で7年となる。敷地中庭の入口で訪れる人を迎えるのは『はじまりの樹』。このプロジェクトを立ち上げた想いが込められた木である。「この~木なんの木 気になる木 見たこともない木ですから 見たこともない花が咲くでしょう…」私と同年代の方なら思い出すであろうこの歌。日立の企業CMソングとして使用されていたこの歌の歌詞のような場づくりをしたいなぁ~というところから、人が集い、つながり、いろいろな化学反応を起こし、想像し創造する力の源となれば…そんなストーリーを想い描き、このプロジェクトをドットツリーとネーミング。そして、シンボルツリーとして『はじまりの樹』が植えられた。あれから7年。時代が大きく変化しても、ドットツリーのマインドは、しぼむこともなく、むしろ大きく膨らみ、あらたなつながりや連携によって、見たこともない花を咲かし、そして誰にでも開かれたオープンな場として、ともに楽しく笑顔になれる未来へと進んでいく。

 

コトウダグループ(古藤田グループ)